題名を見て何かピンと来て、気になっていたので見てきました。
アメリカ公開が4月だったので11月でも年内って事でちゃんと記憶に残ってるものですね。
本日公開初日で見てきました。
4月といえば「リンカーン」を見ていたころです。あれは日本人が映画で一回見ただけで絶賛できるような内容ではなく、ちゃんと共感できるのは、相当英語が分かる人か歴史に非常に詳しい人だと思います。
だからあれの感想を言えるのはDVDが出てゆっくり見直してからだと思っています。
僕から見ればリンカーンを映画館で1回見たぐらいで感動したと言っている日本人はかなり怪しいと・・・。
脱線しましたが、今回見た映画「42」のほうも黒人差別問題の実話ベースの話です。
第二次大戦に勝利して、戦争から帰ってきた人たちで活気付いているなかで、マイナーおよびメジャーリーグの野球選手にはじめてのアフリカ系アメリカ人を起用して成功するまでのお話です。
主人公をはじめとして周りの人の葛藤や意識の変化によって乗り越えていくというとってもいい話です。
差別問題そのものについて書くと、いくらたくさん書いても言葉足らずになってしまうので、話をずらすのですが、この映画のキーワードである「やり返さない勇気」については僕なりの意見を持っています。
やり返さない事を貫き通して、最終的に成功に到達できる人というのは本当にごく一部のケースだけだという事です。
一般的には、やり返さない、または、やり返せないままでいるということは、本当に危険な状態に陥る場合がほとんどだと思うんです。
ただし、これが黒人差別問題についてであり、しかも強力なバックアップがあるという前提において「やり返さない勇気」が成立したのだと思います。
まさに選ばれたヒーローだけが成しえた事で、まねしちゃだめだというのが僕の持論です。
だからこそ痛快で映画になったわけですけどね。
でも映画としてみるとだいぶソフトに作ってありました。現実の心理状態はもっと壮絶だったろうと思うのです。
なんといっても老若男女、社会全体からの攻撃を受け止めるわけですから。でも、映画では見てるほうが耐えられなくなるでしょうから。
そして暴れたりできないわけで、どうしても地味にならざるをえないところを、うまく山場的なところを作ったりして、じわじわくるものになっていました。
説教くさくなくて、結構主人公や周りの人とかに感情移入できるんですよねぇ、これが。
一方で伝記ものってどうしても歴史を淡々と追いかけるだけで盛り上がりに欠けるところがありますから、この映画はよくできているんだと思います。
球団のオーナー(?)の役のハリソンフォードがなんだかいつもとだいぶ違う、すっかりお年寄りという役をやっていて、しかもそれが結構はまっていたのもよかったですね。
42番という番号の入ったシャツには、ちょっとした思いがあってタイトルに引っかかりを感じたのですが、やはりそれは書くのはやめておきましょう。もったいぶって(笑)
歴史や野球に詳しくなくてもちゃんと共感できる作品です。できれば映画館で、そうでなくてもDVDが出たらぜひ見る事をおすすめします。
0 件のコメント:
コメントを投稿
注: コメントを投稿できるのは、このブログのメンバーだけです。