やっと見れました。映画館に見に行くのをためらってしまい、そのままになっていました。
これも予告編を見て、これはいいなぁと感じたのですが、ちょっと落ち込む映画のような気がして迷っているうちに、賞を取ったとかで世の中が盛り上がってしまい。
邦画の場合はそうなると見に行く気がしなくなってしまうんですよね。
この映画は「誰が、本当の”悪人”なのか」というキャッチフレーズになっているのですが、ちょっと誤解を招きそうな言葉選びです。
こんな事のなったのは誰が悪かったのか?ではなく、それぞれの人は、人として悪人なのかそうでないのか?どちらかであると一概に言えるのか?という内容の物語です。
ただし主題が本当にそこだったのか?というとそれも少し違ってくるように感じています。
この予告編の中に出てくる「あなたに本当に大切な人はいるのか?」という事が最初から最後まで貫かれています。
この言葉が語りとして出てくるときに、僕のもやもやは最大になりました。その答えを押し付けるのはやめて欲しいと。
できる事はやっています。できない事を責められても、責める側のストレスのはけぐちにしかならないのです。
見方は人それぞれです。僕の場合は樹木希林さん演ずるおばあさんも、柄本明さん演ずるお父さんも、罪深い人、すなわち悪人に見えています。もちろん深津絵里さん演ずる光代も。
と異論を唱えつつも、映画としてはすばらしいです。
出演者の演技はすばらしいく、1シーンずつ捕らえると映画の中に引き込む力感じます。
主役2人である妻夫木聡さんとか深津絵里とかもうたまんないって感じです。
ただし物語の中の登場人物としてはそういう思考にはたどり着かないなぁと思うところが随所にあり、その度にさめちゃうのですが。
結構注意して作られているなと思ったところは樹木希林の取り扱いです。最近の樹木希林は目立ちすぎてしまい、映画全体の調和を乱している事が多々あると思うのです。
その点この映画では強烈なキャラクターをできる限り抑えるように編集されています。そういうところに製作者のセンスを感じます。もっと控えめでもよかったぐらいですが。
欧州で賞をとる日本映画といえば残虐なものばかりという印象があるのですが、めずらじく残虐映画でないまともな作品です。
基本は押えておこうという意味でも、おすすめです。
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