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日曜日, 5月 20, 2012

ファミリー・ツリー見ました。しみじみ苦笑し、しみじみ泣きました。

これも今年はじめから待っていた映画。公開初日に見に行きました。



なにも言うことはありません。予告を見ていただければ、見たくなったという雰囲気はわかると思います。
私には珍しく日本版予告でどうぞ。珍しく英語版より日本版の予告のほうが数段上の出来ばえです。
後で見てわかったのですが、イギリス版予告編からさらにブラッシュアップして構成されています。重要な部分が削除されていて、それが僕にとってはとても良い意味で落とし穴でした。
まんまとはまってしまい、心地よくやられたぁという気分です。



この映画のいいところは、「主人公に降りかかる災難」と「ハワイという楽園」のギャップの面白さでコメディー風にしているところです。
物語が非常に単純でわかりやすく、スリルもサスペンスもありません。それが無いことがとても効果的になっています。
楽園ハワイでも、現実の生活はつらいんだぜというジョージクルーニが、一大事に必死で走るはポロシャツに短パンにサンダル履きという、この抜けた感じが最高に良いです。
映画の中でも、普通と違うところは「大物の人物が大物に見えない」ところだと言っています。確かにそうなんだろうなとやけに説得力のある台詞でした。

ストーリーはすべて予告編で出てきますが、あらためて書き起こすと、主人公マット(ジョージ・クルーニー)はハワイで暮らす仕事人間の弁護士で、ある日、妻がボートの事故に遭い意識不明になってしまいます。2人の娘と久しぶりに対峙しなければならなくなり手を焼くのですが、長女から妻は浮気をしていたと知らされてショックを受けます。それだけでなく先祖から代々受け継いだ広大な土地を売らなければならないという問題を以前から抱え、まさに踏んだりけったりの状態から、どうやって行くのかという話です。

とても堅実で優秀であろう主人公が、家族という場所ではまるでダメ親父というところが基本的な設定です。
それでも人間性の良さにぐっと来るところがあります。英語版の予告編からあえて日本版でカットされている、長女の彼氏、そして妻の父である義父、この2人に対する主人公がとるあらゆる対応が、なんてこの人はいい人なんだろうとジーンとしてしまいます。
本筋とは関係ないのですが僕はとても心打たれました。

さてそもそも、オリジナルの英語タイトルは「The Descendants」。直訳すれば子孫です。
これに対して邦題は「ファミリーツリー」。最初は分かり難いからそうしたのかもしれませんが、ツリーという響きが日本人にとって樹木とつながって予告編でもハワイの大自然がでてくる。これが油断をさせるための罠になっているんですね。
そしてジョージクルーニの滑稽な姿も前面にだしています。ぜひこれに騙されてください。
日本版予告編であえて作ったであろう裏切り方を説明してしまうと、かなり勿体無いのでここで説明はしません。ぜひ英語版予告編は見ずに映画を見てください。



映画の見所というか、ぜひ堪能してほしいのは、やはりハワイらしさです。
ハワイで暮らしたことのある人も、観光地しか行った事しかない人も、ハワイ感あふれている事が伝わってくるのではないでしょうか。
ハワイのニオイっていうか雰囲気がよみがえってきます。
お花いっぱいの住宅街や地元のガランとしたビーチを歩いた事が無い方は、ぜひ次に行った時に散歩してみてください。

お勧めというより、ぜひ映画館で、もし逃してもDVDで必ずご覧ください。

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