松山ケンイチブームで気にはなっていたのですが、見ていなかったので見てみました。
やっぱりこの人ずごいわなぁ。とっても松ケンらしい松ケンを演じていました。って書いたら怒られそうですが(笑)
「デスノート」とか「GANTZ」とかまったく見ていないので、そっち系の松ケンは知らないのですが、そっち系ではない映画ではほんとに演技しているのか?と思うほど普通に話している感じがとても気持ち良く出来ているのがこの人の芝居の特徴ですよね。
この映画では相手役の永作博美さんも同じように自然に話していて、その掛け合いが絶妙で、見ていて本当に雰囲気が良かったです。
普通にしゃべるって芝居ほど抑揚が無いから、ほかの人がやるとただの棒読みになってしまいますけど、この二人はいい雰囲気でその辺にいるカップルみたいなんです。
やっぱりこのラブラブな感じが見所なんでしょうね。
ストーリーは田舎の美術学校に通う主人公みるめ(松ケン)が、新しく先生としてやってきたユリ(永作博美)と年の差がありながら付き合ってしまい、いろいろあったり何も無かったり、ほんとに好きで夢中になってしまえばしまうほど、なんだか切なくてモヤモヤするという恋愛ドラマです。
タイトルからすると過激シーンがありそうですが、そういう訳でもなく結構あっさりです、はい。
その他俳優陣も蒼井優、温水洋一、市川実和子をはじめ有名どころをそろえていて淡白な映画としては豪華です。この俳優陣や永作や松ケンの家族の人たちの役者さんも名演技なのですが、これが主人公2人とは少し嗜好が変わっているのがまた面白いです。
力の抜けた少し滑稽な、いうなればあざといというか受けを狙った所があるんです。そのあざとさが前面に出すぎず、でもちょっとうざい絡み方がなんともいいんですよね。
とくに難しかったであろう役どころが、みるめに片思いをしているえんちゃん(蒼井優)。みるめ、えんちゃん、堂本(忍成修吾)という3人仲良し組みで満足だったえんちゃんがユリの登場でみるめをとられちゃうわけで、でもいままで仲良しだったから突然好きだという訳にはいかず、みるめの周りでジタバタしている、可愛らしくも滑稽な感じをあざとく演じているわけです。
もう蒼井優ちゃん好きになってしまいます。
ラブラブな気持ちや不安な気持ちの表現を押さえ込み、滑稽に声張って押したい所を押さえ込み、淡々と抑揚の無い日常が過ぎていくというのが僕は共感できましたが、見る人によっては退屈かもしれませんね。
でもこの自然極まりない演技と、滑稽な演技のギャップがおもしろいし、ありえない事だらけの一大事が起きて心の中で起きる葛藤がどれだけ大きくても、現実世界で表現できる感情は客観的に見ればそう大きくはなく、逆言えばみんな平静を装って生きてるよねって妙ににやけてしまいます。
出てくる人みんな良い人で役者との区別がつかなくなってしまいます。松山ケンイチと永作博美と人柄の良さがこのインタビューからも伺えます。
切なくも心温まる映画でした。
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