感動の映画って久しぶりに見た気がします。主人公は実在の人物で、まわりから自分の弱点を攻められ続ける中、絶えていたのは本当につらかっただろうと思います。
そしてそれを乗り越えていく姿と、支える人たちの姿にとても心打たれました。正直なところ映画館にもかかわらず泣きました。もちろん僕も周りも声もらして笑ってしまうところが何度もありました。
この英国王のスピーチという映画は、今年のアカデミー賞でソーシャルネットワークかどちらか選ばれるかと言われている作品で、来週月曜日にアカデミー賞発表だそうです。
でも、そんな事とは関係なく英国王のスピーチ予告編を見てどうしても見たくなって、公開初日の今日に初回上映で観てきました。
物語の主人公は現在の英国女王エリザベス2世のお父さんの話です。この家系図のジョージ6世で王位継承前の名前はアルバート王子です。
主人公アルバート王子は英国国王のジョージ5世の次男として生まれ、王位は兄のエドワード王子がいるので、自分は王様になるつもりなど全くありませんでした。
真面目で内気でいつも父や兄から振る舞いを攻められていました。
というのも、人前で話すのが苦手というか、吃音症(いわゆる「どもり」)で、雄弁に国民に語る事が仕事のひとつである王室にいて、演説がうまくできないんです。
そりゃそうです、吃音の人に大勢の前で演説しろというのは拷問しているようなものですから。
それでも父はきちんとやれと怒鳴り散らすばかり。医者を連れてきても治療技術がない時代なので全く効果がありません。
あきらめかけていたところに、アルバート王子の妻であるエリザベスが人づてに見つけ出してきた言語聴覚士ライオネルのところへ個人レッスンを受けることになります。
変人のライオネルはこれまでとは全く違ったやり方で、アルバート王子やる気を取り戻して一緒にどうにか治療が始まります。
アルバートはライオネルを徐々に信頼し、治療も進んでいくのですが・・・。
というお話です。
まずは、アルバート王子の人柄がすごく惹かれますし納得させられます。とても真面目で内気でいじめられ役の良い人という立場なのですが、うっ屈していてすぐにかんしゃくを起こしてしまうという所がとても共感させられます。言いたいことがいつも言えずストレスをずっと蓄積しているわけですからそれも仕方がないことなんですよ。また、それを分かってかライオネルは怒りすら利用してアルバート王子にしゃべる自信をつけさせていくんです。この真剣勝負が見ていて思わず息を止めてしまっていました。
また王子のとてもつらい体験話も出てきます。つらいつらい積み重ねの上に今があり、されらにつらい試練に立たされようとしているのです。そのほかライオネルの背景も苦労の人だったりします。
と、ここまで書くと、この映画はお涙頂戴の説教くさい映画と勘違いをされてしまいそうですが、これはそうではない所が僕がこれだけ語ってしまう理由なんです。
これだけのつらい要素が背景にありながら、映像としては実にコミカルに作ってあります。
ライオネルの放つ皮肉交じりのジョークが笑えますし、アルバート王子が内気を克服するためのいろいろな方法がとても滑稽に描いてあり笑いどころ満載で、見ていて飽きることはありません。そうやって面白おかしく笑い飛ばしていく事で、先に進んでいく姿がやはり見所なのだと思います。映画の中とは言うものの見習いたいです。
そして物語に出てくるいくつかの試練を乗り越えるたびに、一緒になってがんばってきたように感じてしまいます。アルバート王子のがんばりは、一人だけではなくライオネルもエリザベス妃も一緒になってみんなでがんばっている感じが伝わり、最後も完全に吃音を克服したわけではないのですが、何かこう、こちらも一緒に達成感を味わって映画を見終えることができます。
実はソーシャルネットワークも見たのですが、僕にとってはここに書くほどお薦めではなかったし、ノルウェーの森とかも見たんですが、やはりお薦めできる映画だけ描きたいと思うのでそれらは書いていませんでした。
この映画は痛快アメコミど迫力の映画化!とか、3DバリバリでDVDじゃ見れないよ!とかいう理由はまったくない中で、その内容の濃さがぴか一なので、映画館クオリティーで一度は見ておきたい映画です。もちろん後からティッシュ片手にDVDで見るのは当然としてね。
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