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土曜日, 12月 22, 2012

レ・ミゼラブル見ました。帰ってこれません。

いやあ、ポスターを見たときから、見たいと思ってたんですけど、予告編を見てずっと待ってました。
レ・ミゼラブルやっと初日で見てきました。

20121221.jpg


だって題材といい役者といい、絶対良いに決まってるじゃないですか。
で、見終わって、役者とか監督とか有名だからどうのこうのって思ってた自分が馬鹿みたいに見えてしまいました。
ちょっと普通の大作と次元が違いましたね。一言でいうなら「すごい」。
形容できないほどすごかったんです。



レ・ミゼラブルの物語の内容はほとんど知りませんでした。もちろん名前を知らない訳はなく誰でも知っているのに。
しかも、これって英語の教科書の題材に出てきたと思うんです。全く中身を覚えていない。
教科書によってまるで面白くもないものとして僕の中で分類されちゃったわけです。
それなのに最後のほうでは完全に泣いていました。でも不覚とは思いません。
だって左のおばさんは号泣だったし、右のおじさんはハンカチをかばんから取り出していました。
それぐらいの作品です。

すごいって感じた要因のひとつとして、僕がミュージカルを見慣れていなかったからかもしれません。
話しているのが突然歌いだすとかいうのではなく、最初から最後までずっと、ずーっと歌っているんです。
158分あるんですよ。それほぼ全部歌ってるんです。それを聞いただけで壮絶でしょ?
歌いながら怒って、歌いながら泣いてるんです。もう感情振り回されまくります。
むちゃくちゃリアルです。歌っているのにリアルです。何なんでしょうこれって。他の映画の歌のシーンとは明らかに違って歌に感情が乗っているんです。
確かに最初は違和感あるんです。慣れていないから。でもどんどん引き込まれて最後にはもう(笑)

また内容の盛りだくさん具合も要因のひとつでしょう。これまで見てきた映画だったら、三部作ぐらいになる内容が一本に収まっています。
途中でちょっと気を張っているのが追いつかなくなって挫けてしまいそうになるぐらい疲れます。158分間まったく休ませてくれません。

そして出てくる登場人物の描写が細かい。パンフレットだと4人しか写っていませんが、もっとたくさん重要人物が出てきます。
それぞれについて丁寧に描いているので、それぞれの人の描写だけで自分に当てはめたり、誰かに当てはめたりして、いろいろな事が見えてきちゃうんですよね。
時代や風潮の描き方もそうです。もう今の時代に当てはめていろいろ感じてしまうんです。
ちょっとした描写にいちいち気持ちが反応してしまうので、辛くて物語の世界に入りたくないのに引きずり込まれてしまう感覚です。
この共感覚は社会と個人の両方の辛さを描いているからでしょうね。

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ここまで書きなぐってしまいましたが、改めてストーリーを書くと、
主人公ジャン・バルジャンは、妹の子供が飢え死にしそうなのを助けようとしてパンを1つ盗んでしまった事が原因で捕まり、監獄で長年強制労働させられていました。
やっと仮出所となったのですが、身分証明書に危険人物と記載され監視の為に定期的に出頭しなければならないという決まりがありました。
どこへ行っても危険人物に指定されているため働くことが出来ず、食べることも出来ず、その証明書を破って逃走してしまいます。
何年か後に、過去を隠した主人公は、ある市の市長になり、かつ、その市にある工場長になっていましが、そこへ監獄のときの看守が警官となってやってきて・・・という話です。

散々書いたので、蛇足ネタです。
出てくる歌は聞いたことがある歌が結構あります。詳しくないのでそれぞれの曲名はなんていうのかわからないのですが、ミュージカルのレ・ミゼラブルを知っている人にとっては当たり前の話なんでしょうね。
こんなにたくさんの曲が知られているなんて、すごいミュージカルなんですねぇ。
今まで知らずに聞いていた曲が、今度聞いたらそれだけで思い出してウルウルきてしまうかもしれません。

たとえばこんな風に。



誰でも聞いたことありますよね。



先ほど書いた通り、やぼな話なのですが出てくる役者は一級ぞろいです。
ヒュー・ジャックマンにラッセル・クロウにアン・ハサウェイにアマンダ・サイフリッドです。
これだけ出てたら相当儲けないと元が取れないでしょうけど、大当たりなんでしょうねぇ。
もちろんそれ以外の人も見事なのはいうまでもありません。

そして内容は見ていて、辛くて辛くて仕方ない中、後半に入って出てくるアマンダ・サイフリッドには、本当にときめいてしまいます。
設定的にそういう設定なのですが、それとは関係なくアマンダ萌えって感じです。この人の映画ぜんぜん見たことないので気になってきました。
世の中的にはきっとアン・ハサウェイに注目がいくでしょうね。賞とかもそっちへ行くかと。

非常に宗教的な内容でありながら、そういった壁を簡単に乗り越える迫力があります。それはやっぱり社会や個人の苦悩の描写だからだろうなぁと。

最後のシーンがあり、映画の本編が終わって、まったく無意識に拍手をしようとしていました。ギリギリ気が付いて手を止めましたが、もう手を打つ寸前まで動いていました。
ある意味で静かにエンドロールが永遠と流れていましたが、僕の頭の中では拍手喝采が沸き起こっていました。僕のというのではなく劇場全体で。きっとみんな同じだったんじゃないでしょうか。


いつものように予備知識だらけとは違って、中身の感想だけで、しかも中身には触れずにこれだけ書きたくなってしまう、ずごい映画です。
あまりの事に頭痛がひどいので、ここまでにして、よく寝て休もうと思います。
映画館で見る意味が十分にあります。行ってみれば分かります。